こんにちは、中川郁子(ゆうこ)です。
2020年5月から、毎週みなさまにお送りしている”ゆうこう(有効・友好)便”も、今号で記念すべき150号になります。
私の考えや気になることなど、毎週欠かさず皆さまにお届けすることで、もっと私を知って欲しいと始めた”ゆうこう便”。最近では、顔を合わせると「見たよ!」とか「久しぶりな感じがしない!」など、合言葉のようにエールを頂くことが多くなりました。
これからも200号を目指して、皆さまに情報発信していきますので、応援よろしくお願いします。
さて、皆さまは農業白書や森林・林業白書、防衛白書など、○○白書というのをご存じですか?
「白書(はくしょ)」…なんとなく聞いたことのある方もいらっしゃると思いますが、中央省庁が毎年発行する刊行物のうち、「政治経済の実態及び施策の現状」について、広く知っていただくためのものです。ただし、外務省だけは「外交青書」と言いますが、これは、英国のBlue Bookに合わせたと言われています。
現在、自民党では各省庁の皆さまと一緒に令和5年の白書原案を作成しています。
その中で、私達の毎日の生活に直結する「食育白書」についてお話しします。かつては栄養バランス中心でありましたが、最近では、地産地消、食料安全保障とその内容も多岐にわたっています。
日本各地で歴史とともに育まれた「食文化」を若い世代に繋いでいくことも大切な「食育」であると思います。
わたしの地元十勝は、カロリーベースの食料自給率1300パーセントを誇る農林水産業が盛んな地域柄もあり、地元食材を使った食文化を大切に育んで参りました。その中から、帯広の歴史が育んだ「豚丼」を紹介したいと思います。
豚丼とは、甘辛いタレを付けて焼いた豚焼肉をご飯にのせた丼物です。1933年(昭和8年)に帯広駅前にある「ぱんちょう」の創業者である阿部秀司さんが考案したとされ、いまでは帯広の名物となっています。
炭火焼き、鉄板焼き、フライパンで焼いたりと様々な調理法がありますが、白髪ネギ、グリンピースなどをトッピングしていただきます。各家庭でも秘伝のタレが「おふくろの味」として、深く浸透しています。
十勝では、明治時代に養豚業が始まり、大正時代末期には豚肉食が一般的になりつつありましたが、トンカツのような手の込んだ料理の提供は当時困難であったことから、前述の阿部さんが調理が簡単で庶民でも食べやすい料理として鰻丼をヒントに開発したということです。
十勝には開拓時代の名残りを現すエピソードとして「開墾のはじめは豚とひとつ鍋」という句があります。
十勝開拓の祖である、依田勉三(1853-1925)が仲間と共に「晩成舎」を結成し、開墾をはじめたものの、生活がとても苦しくて豚の餌とも思える粗末な食事と困窮の様を詠んだものとして、現代にも受け継がれている句です。
家畜とひとつ鍋をともにしながらも、昼なお暗い原生林に覆われた原野を開墾した先人の苦労が偲ばれます。
帯広市内には、豚丼専門店がたくさんあります。豚肉はタンパク質やビタミンB群などの栄養素を豊富に含んでいて、疲労回復や健康維持に欠かせない食材です。
観光にお出かけの際は、是非一度ご賞味ください…きっと色々なお店の味を旅したくなると思います。
3月20日
中川郁子(ゆうこ)