こんにちは、中川郁子(ゆうこ)です。
8月も最終週となりますが、残暑が厳しい中にも山々から吹き抜ける、風の香りに秋の気配を感じはじめた十勝です。
先週も新型コロナウィルス感染症の感染拡大は収まらず、北海道にも3回目となる緊急事態宣言が発出され、わたしが住む十勝も措置地域として指定されました。
帯広厚生病院・服部理史(はっとり りふみ)先生にインタビュー
感染拡大防止のための人流抑制やワクチンの有効性については、ゆうこう便vol.69やvol.70でお知らせしていますが、今号では妊娠されている方やこれから出産をと思われている方の一助になればと思い「帯広厚生病院診療部長・総合周産期母子医療センター長の服部理史(はっとり りふみ)先生」に、お話を伺って参りました。
◆ 産婦人科医として、新型コロナの現状認識をお聞かせください。
服部先生:出産時期が迫った妊産婦は重症化しやすく、分娩時には出血が多くなると言われています。また、咳き込むことによって腹圧がかかり、早産しやすくなります。
新型コロナウィルスが、赤ちゃんに直接影響を与えることはないものの、妊産婦の皆さんはインフルエンザなどの感染症に比べると不安に思っている方が多いように思います。
◆ コロナ禍での社会環境の変化がもたらす妊産婦への影響について感じることはありますか?
服部先生:切迫早産気味の方は別ですが、多くの妊娠さんにとっては外出がしづらいことによる「体重増加」に加え、外出が出来ないことそのもののストレスによる精神的なデメリットもあると思います。
◆ 実際の妊産婦の悩みなど「生の声」をお聞かせ戴けますか?
服部先生:コロナ前といちばん違うことは「立ち会い分娩」が出来ず、ひとりぼっちの分娩になることです。出産という大事業をひとりで乗り越えなければならないことを不安に感じている方が多いですね。スマホで励ましているご家族もたくさんいらっしゃいますが、分娩後も面会制限がありますので大変ですよね…
◆ 産婦人科医として、妊産婦やこれから出産を考えておられる方々に、なにか助言はありますか。
服部先生:(きっぱりと)外来にいらっしゃる、すべての妊婦さんに「ワクチン接種」を勧めています。ワクチンを打って感染予防をして、適度に外出して運動することが大切だと思います。
「赤ちゃんに何かあったら」と躊躇する方も多いですし、決定権はご本人にありますが、最初は拒否反応が大きい方でも「なるべく打とうね」と声をかけると「絶対にイヤ」というわけでもないようです。
今回、帯広市で「コールセンター」を設けたことは本当に良かったと思いますが、愛知県や東京都のように夫やご家族全員が対象になればもっとよいと思います。
もちろん、迅速な対応については、大いに評価したいと思います。
お忙しいなかにも関わらず、服部先生には丁寧に分かりやすくお話をいただきました。
vol.36 https://nakagawa-yuko.jp/?p=2287 でも紹介していますが、帯広厚生病院では、新型コロナウィルスに感染している十勝管内のすべての方の出産に対応しています。
【帯広市コールセンター】
詳しい流れはこちらをご確認ください。
https://www.city.obihiro.hokkaido.jp/covid19/1007994/1009836.html
2021年 8月 30日
中川 郁子(ゆうこ)