vol.16 「年金制度改正法」の4つのポイント 中川郁子(ゆうこ)の“ゆうこう(有効・友好)便”

こんにちは、中川郁子(ゆうこ)です。

今週は旧盆です。毎年、お盆の時期になると帰省ラッシュが始まりますが、今年は新型コロナ感染症の影響により動きは控えめかもしれません。

夏祭りや花火大会、盆踊りなど…夏の風物詩が中止となる地域も多いと思いますが、お盆はご先祖や亡きひとに思いを馳せてお過ごし下さい。

「年金制度改正法」の4つのポイント

先日、「ゆうこう便」読者の方から「年金制度改正法(令和2年度法律40号)」の内容について知りたいとの声が届きました。

本法は、6月17日に閉会した通常国会で「新型コロナ感染症対策関連」以外に成立した法律のひとつです。

誰にとっても大切な法律です。少し長くなりますがポイントを整理してお伝えいたします。

~年金改正4つのポイント~

(1) 短時間労働者に対する被用者保険(厚生年金、健康保険)の適用拡大
(2) 在職中の年金受給の在り方の見直し
(3) 受給開始時期の選択肢の拡大
(4) 確定拠出年金の加入可能要件の見直し等

~ポイント概説~

(1) 短時間労働者に対する被用者保険(厚生年金、健康保険)の適用拡大

現状では、週労働時間が20~30時間等の要件を満たすパートなどの短時間労働者を厚生年金に加入させる義務があるのは、従業員「501人以上」の企業。
これを順次基準緩和し、2022年10月からは「101人以上」、2024年10月からは「51人以上」の企業にも加入義務が生じる。
これにより、パートなどで働いていても、老後にもらえる年金額は増える。従業員の待遇改善につながる反面、企業の費用負担は増える。

(2) 在職中の年金受給の在り方の見直し

現状では、60歳から65歳までの方が働きながら年金をもらう場合、月28万円を超える賃金があると年金支給額が徐々に減額される仕組みとなっている。
これを2022年4月からは、月47万円へと緩和する。65歳以上の方は、現行の基準も月47万円となっており、これに揃える。これにより、就業意欲の向上につながる可能性がある。

(3) 受給開始時期の選択肢の拡大

現状では、年金受給開始年齢を個々人の選択により65歳から70歳まで遅らせることができる。
これを2022年4月以降に70歳を迎える方については、75歳まで拡大するというもの。年金の受給開始は、一月単位で遅らせることができ、計算では一年先送りで8.4%増額となり、70歳で42%、75歳で最大84%の増額となる。

(4) 確定拠出年金の加入可能要件の見直し等

これのみが私的年金制度の話となる。現状では、個人確定拠出年金(iDeCo:イデコ)の加入年齢が60歳未満である。
これを65歳まで引き上げることで、税制メリットを5年多く受けられることになる。また加入要件も緩和される。

さらに詳しく知りたい方は、厚生労働省ホームページをご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html

コロナ対策とともに熱中症対策

暦の上では今年は8月7日が立秋ですが、厳しい暑さも続くと思われますので、コロナ対策とともに熱中症対策など体調管理にお気をつけください。

2020年8月10日 中川郁子(ゆうこ)

     

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